ランサムウェアを、根拠の数字から理解する。警察庁とアイピーエーの一次資料を調べ、2026年10月19日に確認した解説です。数字は、何を数えたものかも一緒に見ていきましょう。 1。データを人質にとる攻撃です。ランサムウェアは、データを読めない形に変え、元に戻すためのお金を要求する不正プログラムです。大事な書類を人質にとるようなものです。データを盗み、公開すると脅す手口もあります。アイピーエーの情報セキュリティ10大脅威2026では、組織向けの1位で、11年連続の選出です。11年連続で1位という意味ではありません。 2。大企業だけの話ではありません。2026年上半期に、企業や団体から警察へ報告された被害は123件でした。そのうち中小企業は79件で、約64.2パーセントです。未報告の被害を含む国内の総数ではありません。また、中小企業全体の64.2パーセントが被害に遭った、という意味でもありません。 3。入口の割合は、回答した36件の数字です。感染経路について、不明と未回答を除いた36件のうち、ブイピーエヌが18件、リモートデスクトップが9件。合わせて27件で75パーセントです。ブイピーエヌは社外から社内につなぐ通路。リモートデスクトップは、遠くのパソコンを操作する仕組みです。この75パーセントは、被害報告全体の割合ではありません。 4。費用の割合も、回答した35件の数字です。調査と復旧の費用は、有効回答35件のうち21件、60パーセントが、1,000万円以上でした。これは、被害を調べて元に戻すための費用です。身代金の金額ではありません。全123件の60パーセントだと読み替えないことが大切です。 5。入口を守り、控えを切り離して備えます。機器やソフトを更新し、パスワードに加えて別の方法でも本人を確認する、多要素認証を使います。大切なデータの控えは、ネットワークから切り離して保管し、戻せるか確認しましょう。入口の対策と、戻す準備の両方が必要です。 6。被害が疑われたら、つながりを切って相談します。感染が疑われる端末は、ランケーブルを抜く、無線をオフにするなどして、ネットワークから切り離します。調査に必要な情報が消える場合があるため、電源は落とさないでください。会社の対応担当者と、最寄りの警察署やサイバー犯罪相談窓口へ相談します。お金を払えば元に戻るという保証はありません。 この解説の数値は、警察庁の2026年上半期の資料で確認しました。件数や割合の分母、資料のページ、確認日は、記事の数値と出典の欄から確かめられます。