ランサムウェアを、根拠の数字から理解する
データを人質にとる攻撃を、6枚の図で解説。警察庁の2026年上半期統計を、対象期間と分母から読み直しました。
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警察庁・IPAの一次資料を基に独自に構成。確認日:2026年10月19日。被害統計は2026年1〜6月。数値ごとの分母と掲載箇所は記事末尾に記載。
この解説の目次
データを人質にとる「身代金」の攻撃です
ランサムウェアは、データを読めない形に変え、元に戻すためのお金を要求する不正プログラムです。書類を人質にとるようなもの。データを盗み、「公開するぞ」と脅す手口もあります。
IPAの「情報セキュリティ10大脅威2026」組織編で1位、11年連続の選出。これは選考会の評価で、被害件数順のランキングではありません。
大企業だけの話ではありません
警察庁が公表した2026年上半期の被害報告は123件。中小企業が79件(約64.2%)を占めます。未報告の被害を含む国内総数ではありません。
「うちは小さいから大丈夫」とは言えません。ただし、中小企業全体の64.2%が被害に遭ったという意味ではありません。
入口の割合は「回答した36件」の数字です
2026年上半期の感染経路は、有効回答36件のうち、VPNが18件、リモートデスクトップが9件。合計27件で75%です。
VPNは社外から社内につなぐ通路、リモートデスクトップは遠くのパソコンを操作する仕組みです。不明・未回答を除く数字で、全被害の75%とは言えません。
根拠:感染経路の回答
費用の60%も「回答した35件」の数字です
2026年上半期の調査・復旧費用は、有効回答35件のうち21件(60%)が1,000万円以上でした。
これは調べて元に戻すための費用で、身代金の金額ではありません。また、報告された全123件の60%という意味でもありません。
根拠:調査・復旧費用
入口を守り、控えを切り離して備えます
まず機器やソフトを更新し、パスワードだけに頼らない多要素認証を使います。多要素認証は、パスワードに加えて別の方法でも本人を確認する仕組みです。
大切なデータの控えはネットワークから切り離して保管し、戻せるか確認します。入口の対策と、戻す準備の両方が必要です。
根拠:日頃の備え
被害が疑われたら、つながりを切って相談します
感染が疑われる端末は、LANケーブルを抜く、無線をオフにするなどしてネットワークから切り離します。調査に必要な情報が消える場合があるため、電源は落とさないでください。
会社の対応担当者と、最寄りの警察署やサイバー犯罪相談窓口へ相談します。お金を払えば元に戻る、という保証はありません。
根拠:被害時の対応
数値と出典を確かめる
確認日:2026-10-19。一次資料を基に計算・言い換えを行っています。項目を開くと対象期間・分母・掲載箇所が読めます。
ランサムウェアはデータを読めなくし、元に戻す対価を要求する不正プログラム。
期間:定義(2026-10-19確認)
対象・分母:用語の定義
読み方の注意:鍵・人質は理解のためのたとえ。実際は暗号化。
警察庁:令和8年上半期の脅威情勢
掲載箇所:本文9頁(PDF18頁)
データを盗み、公開すると脅す二重恐喝もある。
期間:2026年1〜6月(令和8年上半期)
対象・分母:警察が把握した攻撃手口
読み方の注意:控えで復旧できても、盗まれたデータを取り戻せるとは限らない。
警察庁:令和8年上半期の脅威情勢
掲載箇所:本文9頁(PDF18頁)
IPAの情報セキュリティ10大脅威2026の組織編で1位、11年連続11回目の選出。
期間:2026年版(評価対象は2025年の状況)
対象・分母:2025年の事故等をもとに選考会が審議・投票した組織向け脅威
読み方の注意:11年連続は選出の回数。11年連続1位という意味ではない。被害件数順の統計ではない。
IPA:情報セキュリティ10大脅威2026
掲載箇所:Web「情報セキュリティ10大脅威2026 [組織]」表の先頭行と選考説明
2026年上半期に警察へ報告された企業・団体等のランサムウェア被害は123件。
期間:2026年1〜6月(令和8年上半期)
対象・分母:企業・団体等から警察へ報告された被害
読み方の注意:未報告の被害を含む国内総数ではない。ノーウェアランサムは別集計。
警察庁:令和8年上半期の脅威情勢 / 警察庁:令和8年上半期 統計データ
掲載箇所:本文9頁(PDF18頁)、統計編139頁(PDF152頁)。XLSX「図表4」C23
被害報告123件のうち中小企業79件で約64.2%。大企業31件、団体等13件。
期間:2026年1〜6月(令和8年上半期)
対象・分母:警察へ報告された企業・団体等の被害123件
計算:79 ÷ 123 × 100 → 64.2%(小数第1位に四捨五入)
読み方の注意:中小企業全体の64.2%が被害に遭ったという意味ではない。規模別の被害確率は算出できない。
警察庁:令和8年上半期の脅威情勢 / 警察庁:令和8年上半期 統計データ
掲載箇所:本文11頁 図表6(PDF20頁)、統計編141頁(PDF154頁)。XLSX「図表6(1)」C5:C8
感染経路の有効回答36件中、VPN18件とリモートデスクトップ9件、合計27件で75%。その他9件。
期間:2026年1〜6月(令和8年上半期)
対象・分母:感染経路のアンケートで不明・未回答を除いた36件
計算:27 ÷ 36 × 100 → 75%(整数に四捨五入)
読み方の注意:被害報告123件全体の75%ではない。メールへの警戒が不要になるわけでもない。
警察庁:令和8年上半期の脅威情勢 / 警察庁:令和8年上半期 統計データ
掲載箇所:統計編143頁(PDF156頁)。XLSX「統計編p143(1)」B5:C8
調査・復旧費用の有効回答35件のうち、1,000万円以上が21件、60%。
期間:2026年1〜6月(令和8年上半期)
対象・分母:調査・復旧費用について有効回答のあった35件
計算:21 ÷ 35 × 100 → 60%(整数に四捨五入)
読み方の注意:身代金の支払額ではない。被害報告123件全体の60%とも言えない。
警察庁:令和8年上半期の脅威情勢 / 警察庁:令和8年上半期 統計データ
掲載箇所:本文11頁 図表7(PDF20頁)、統計編145頁(PDF158頁)。XLSX「図表7(1)」E5:E10
機器の更新、多要素認証、オフラインのバックアップ、復旧手順の確認が備えになる。
期間:2026-10-19確認時点
対象・分母:企業・団体等の被害防止・軽減策
読み方の注意:基本策を組み合わせる。これだけで完全に防げるとは断定しない。
警察庁:ランサムウェア被害防止対策
掲載箇所:Web「ランサムウェア被害に遭わないために」「被害を想定した備え」
感染が疑われたらネットワークから隔離する。電源は落とさず、担当者と警察へ相談する。支払っても復号は保証されない。
期間:2026-10-19確認時点
対象・分母:ランサムウェア被害が疑われる・確認された端末
読み方の注意:会社では対応担当者の指示と初動手順に従う。復旧を急いで証拠を消さない。
警察庁:ランサムウェア被害防止対策
掲載箇所:Web「被害が疑われたら・被害が確認されたら」
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